酒井形成外科のレーザー脱毛で脇・腕・足・ビキニラインのむだ毛の脱毛

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レーザー脱毛の理論

レーザーならなんでも脱毛できるわけではありません。1960年にレーザーが発見されてから、これが皮膚に応用されるまで、大変な研究と時間がかかったのです。特に脱毛専用レーザーの開発には1986年のハーバード大学ロックス・アンダーソン博士の研究論文が基本になっています。
この基本的理論を唯一踏襲したレーザー機器が米国サイノシュアー社のLPIRです。この機種は工業特許を取得しているため、現在でも理論性では他機種を寄せつけないのです。ここでは、この理論を簡単に学んでみましょう。

LPIRを基本としている

ロックス・アンダーソン博士ロックス・アンダーソン博士

ロックスアンダーソン博士(ハーバード大学皮膚科教授)は1986年「選択的光熱凝固理論」を発表して、レーザー脱毛の可能性を示唆しました。
それから10年後、サイノシュアー社は同博士の協力を得て、LPIR(ロング・パルス・アレキサンドライト・レーザー)を開発、特許を取得しました。米国FDAはただちに、これを許認可し、アメリカ国内で、肌が白く比較的黒い毛の人々のレーザー脱毛治療が始まったのです。

これは、大きなセンセーションを巻き起こし、日本にもLPIRが導入されてきました。日本でも、多くの大学医学部がこれを研究し、日本人に対しては極めて脱毛効果が高いことが証明されました。さらに、日本人に合わせたLPIR治療が研究され、2000年頃からレーザー脱毛治療は大きくブレイクしたのです。

脱毛用レーザーの波長的選択

レーザーは単一波長ですから、この光エネルギーが熱化する、決まった色があります。一方、毛はメラニンでできていますので、脱毛に選択されるべきレーザーは「メラニン特異性」がなければなりません。
さらに、毛根は表皮メラニンより下に存在するため、皮膚の透過性が高くなければならないのです。

光の波長とレーザーの波長
【図 : 主なレーザーの波長】

組織の吸収スペクトルでもっとも大切なものは、水、ヘモグロビン、メラニンです。この3つの物質のそれぞれのレーザー吸収特性を表したものが下の図です。


【図 : 主なレーザーの吸収特性】

<例>

  1. ルビーレーザー(694nm)では水は暖られず、メラニンはヘモグロビンの1000倍も熱吸収がおこる。(メラニン特異性)
  2. 色素レーザー(577nm)ではヘモグロビンとメラニンに同等の熱吸収がおこり、メラニンが無い所では血管を選択的に障害する。(血管特異性)
  3. 炭酸ガスレーザー(10.6μm)では水がおもに熱吸収する。生体内ではどこにでも水が多く存在するため、炭酸ガスレーザーがあたると、瞬間蒸散(組織が蒸発すること)がおこる。

このことから、もっとも脱毛に向いているレーザーは、アレキサンドライトレーザー(755nm)が選ばれます。

脱毛用レーザーの波長的選択


【図 : 皮膚の構造】

皮膚には毛や表皮メラニン粒以外にも、ほくろやしみなど多くのメラニンが存在します。
特に表皮メラニンは日本人ではかなりの量が毛根より上に存在しますので、脱毛レーザーでは、これを障害せず、毛根だけを障害することが必要条件になってきます。

皮膚の構造の図を見るかぎりでは、表皮メラニンを障害せず、毛根メラニンだけを障害することなんて無理に思えるでしょう。
ですから、当時、脱毛用レーザーは理論的に不可能とされてきたのです。
ところが、ここでロックスアンダーソン博士の選択的光熱凝固理論は、これを覆す答えを出したのです。

メラニン顆粒にレーザーをあてた時の「熱緩和時間」の発見

レーザー照射と熱緩和時間
【図 : レーザー照射と熱緩和時間】

ある大きさのメラニン顆粒にレーザーを当て続けると、メラニン顆粒はその体積に伴い、暖まるフェーズと、続いて冷めるフェーズがあることが分かっています。これは体積に伴い各々の時間が決まっています。

概ね、大きな顆粒ほど暖まりにくく冷めにくいのに対し、小さな顆粒は暖まりやすく冷めやすいのです。
このレーザーが当たっていても、顆粒内温度が冷める時間が熱暖和時間です。熱暖和時間は、熱上昇時間とほぼ同じことが知られています。

【表 : 表皮メラニンと毛根メラニンの熱暖和時間】
表皮メラニン顆粒 0.01ms
毛根メラニン 20〜40ms
ms(ミリ秒)=1/1000秒

次に、いろいろなPW(発光時間=ミリ秒で表します)のレーザーを毛根と表皮メラニンにあててみましょう。
ちなみにそのレーザーが光っている間に出しうるトータルエネルギーをF(フルーエンス)といい、J(ジュール)で表します。

1.PWが短く(0.5ms)、Fが高い(2〜5J)(1msあたりのエネルギーは4〜10J)

この場合体積の大きい毛根は暖まるのに時間を要するため、暖まりきらない内にレーザーがストップしてしまうことになります。このため、毛根は熱障害を受けません。しかし、表皮メラニンは50回も最高温度に達し、熱障害を受けてしまうのです。
つまり、このレーザーは皮膚にやけどはさせるが、脱毛はさせないということになりますね。

2.PWが長く(20ms)、Fが高い(20〜50J)(1msあたりのエネルギーは1〜5J)

この場合毛根は十分な暖まり時間のため、最高温度まで暖まり、熱障害を受けます。しかし、表皮メラニンは0.01msごに暖まると、冷める、を繰り返してしまいます。しかも、単位当たりのエネルギーはさほど大きくないため、暖まりきらないうちに冷めるフェーズを向かえ、結果熱障害は受けないというわけです。
つまり、このレーザーはやけどをさせず、脱毛できるということです。  
このことから脱毛に必要なPWは20ms以上、ということになります。

脱毛用レーザーLPIRの誕生

以上の研究により、ロックス・アンダーソンは脱毛専用レーザーは以下の条件が必要であるとしました。

PWが20ms以上のアレキサンドライトレーザー

このレーザーを実用化させるため、彼はアレキサンドライトレーザーでは、最も研究が進んでいたサイノシュアー社に試作を依頼したのです。そして10年後、同社は世界初の脱毛専用レーザーLPIRを完成しました。
このレーザー機は特許を取得したため、現在でも、ロックス・アンダーソン博士の脱毛理論にのっとったものはLPIRとスーパーパルス・ヤグレーザーしか存在しません。

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